慶応義塾大学が開発中の原発性硬化性胆管炎(PSC)の新薬についての続報

慶応義塾大学が開発中のPSCの新薬について続報が発表されました。

〔報道発表資料〕

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2023/6/27/230627-2.pdf

 

(前略)

慶應義塾大学医学部内科学教室(消化器)の中本伸宏准教授、金井隆典教授らの研究グループは、肝移植以外に有効な治療法が少ない難治性自己免疫性疾患である原発性硬化性胆管炎(PSC)患者の腸内細菌を解析し、クレブシエラ菌とエンテロコッカス菌が高率に検出されることを確認しました。さらに、イスラエルの BiomX 社との共同研究のもと、患者から分離したクレブシエラ菌を特異的に排除するバクテリオファージ(細菌に感染するウィルスの総称)カクテルの作製に成功し、マウスにこのバクテリオファージを投与するとクレブシエラ菌の腸内への定着が抑制され、クレブシエラ菌により誘導された胆管障害が減弱することが示されました。

(中略)

本研究成果は、2023 年 6 月 5 日(英国時間)に国際学術雑誌 Nature Communications のオンライン版に掲載されました。

https://www.nature.com/articles/s41467-023-39029-9 

(中略)

細菌の増殖を抑制し殺菌する手段として抗菌薬が日常診療で広く用いられていますが、長期間の使用による多剤耐性菌の出現や院内感染が大きな問題となっています。本研究グループはこの問題を打破するために、特定の病原細菌のみを選択的に殺菌可能であり、耐性菌の出現頻度が低いバクテリオファージの作製に着手しました。イスラエルの BiomX 社との共同研究のもと、自然環境に存在するクレブシエラ菌を標的とするファージを複数組み合わせることにより、培養液中のクレブシエラ菌の増殖を長期間抑制し続けるファージカクテルの作製に成功しました。次にクレブシエラ菌を腸内に定着させたマウスにこのファージカクテルを週 2 回合計 4 回投与し、その体内での菌の増植の抑制効果の有無を 14 日目に検討しました。その結果、便中のクレブシエラ菌はファージの投与後その数が劇的に減少することが示され、この効果が 28 日目まで持続することを確認しました(図 3)。

最後に今後の臨床応用を考え、クレブシエラ菌を投与した肝線維化モデルマウスにファージカクテルを投与し、肝硬変の改善効果の有無を検討しました。同様に週 2 回の投与により、クレブシエラ菌によって誘導された肝臓内 TH17 細胞の数は減少し、その結果胆管の炎症マーカーである血清 ALP 値が低下し、肝硬変(線維化)の程度も 50%程度に改善しました(図4)。以上の結果から、クレブシエラ菌を選択的に排除するファージ療法が、PSC に対して有効である可能性が示されました。
(後略)
 
参考
クレブシエラ菌を標的としたバクテリオファージによるPSC治療についての前回の記事

https://www.asahi.com/articles/ASQ314QKKQ2XULBJ00L.html 



動物実験ではありますが、2週間(2回投与/週)(追記:後で論文を確認したところ、肝硬変と線維化の改善を調べる実験の期間は3週間でしたので訂正いたします)という短期間で肝硬変(線維化)が50%も改善したのは既存の治療では不可能な劇的な改善効果だと思います。今後、国内外の患者さんの解析を行うと共に、複数のクレブシエラ菌を網羅的に排除する新たなファージカクテルを用いた治療の研究も進められて行くようです。この非常に高い有効性を持つ新たな治療法が、標準治療としてPSCの患者さんが当たり前の様に利用出来るようになる日が1日も早くやって来る事を願います。

抗生物質バンコマイシンによるPSC治療の効果は薬のメーカーと投与量に左右される!?

以前『抗生物質バンコマイシンによるPSCの治療』
というブログ記事の中で紹介した、
 
『Successful response of primary sclerosing cholangitis and associated ulcerative colitis to oral vancomycin may depend on brand and personalized dose: report in an adolescent : 経口バンコマイシンに対する原発性硬化性胆管炎および関連する潰瘍性大腸炎の反応の成功は、ブランドと個別に調整された用量に依存する可能性がある(2020年11/24公開)』

という論文について詳しく見ていきたいと思います。
この論文は有料論文なので著作権の関係上、全文を掲載することは出来ないので、一部抜粋と概要を紹介しようと思います。
 
 
先ず、この論文の概要
 
14歳で潰瘍性大腸炎と診断され、15歳でsmall duct PSC(※1)と診断された患者さんが1日2回の経口バンコマイシン1000mgの投与によって、下痢、体重減少、疲労が回復し、肝酵素の正常化、および結腸内視鏡所見の正常化が見られ、MRCPでは正常な胆管を示し、磁気共鳴エラストグラフィー(非侵襲的に組織の硬さを画像化する機能)の値は正常範囲内を示すようになり、その効果は論文が公開された2020年まで8年間続いている。
 
(※1)small duct PSC (小管PSC) : 胆管造影で異常を認められず,肝生検でのみ診断されるPSCとして欧米で知られている。一般に、large duct PSCより穏やかな経過を辿る。
 

【図1】

磁気共鳴エラストグラフィーの経時変化。赤い丸は測定された肝臓の硬さをキロ パスカル(kPa)で表しています。エラーバー(工の形の縦棒)は95%信頼区間(※)を表します。点線は通常の硬さの上限を表します。
 
信頼区間とは:
データの平均(標本平均)から母集団の平均(母平均)がどれくらいか,といった範囲を推定する指標が信頼区間です.95%信頼区間とは,95%の確率で母平均がその範囲に含まれることを表しています.たとえば,脳卒中片麻痺患者10名の健側握力を測定して,95%信頼区間が14.7kg~23.2kgであったとき,n=∞のときの脳卒中片麻痺患者の健側握力は95%の可能性で14.7kg~23.2kgの間に存在すると推定できます(以下のサイトより引用 https://onl.bz/y191jjT).
 
(図2左)15歳の時のMRCPではグラディエントエコースキャンで総胆管に7mmまでの拡張が見られるが、22歳時のEovist(MRI造影剤)後のスキャン(図2右)では総胆管の拡張が解消され、4.7mmになっている。
但し、7mmの拡張はオッディ括約筋の痙攣のような生理学的なものなのか、真に解剖学的なものだったのかは不明と言う事です。
【図2】
 
・ジェネリックのバンコマイシンの投与は一定程度の効果はあるが、患者さんの肝機能検査値を完全に正常化することに成功した先発薬のバンコマイシン程の効果はない。
 
・先発薬のバンコマイシンも製造施設が変わってからは、以前程の効果が無くなってしまったが、患者さんが薬を飲む前に自分でカプセルを開いてから服用すると以前と同様に高い効果を発揮した。バンコマイシンは、放線菌の分泌物からの薬物の製造という複雑で繊細なプロセスを伴って作られる医薬品なので、その有効性が製剤方法や製造技術によって大きく影響を受ける薬だと思われる。ジェネリック医薬品において、先発薬程の効果を得られない理由として、そのようなプロセスをコントロールするために先発薬企業が実践している独自のニュアンスを、ジェネリックメーカーは知ることができないためと考えられる。カプセル剤では無く、液剤という剤形であれば、カプセルの溶解特性の問題を回避出来るのでは、と著者は述べている。
 
・バンコマイシンのPSC治療に対する有効性を調査した研究で結果が様々に異なる原因は、バンコマイシンの製造メーカーによって薬の効き目が異なること、バンコマイシンの最適な服用量が個人によって異なること、MRCPやエラストグラフィーでの改善を考慮していない研究も含まれること、調査期間が十分でない事などが考えられる。
 
《ブログ主の見解》
ジェネリック医薬品と先発薬では効き目が異なるというのはバンコマイシンに限らず、他の医薬品でも大いに可能性がある事だと思います。
 
ジェネリック医薬品は先発医薬品(新薬)の特許が切れた後に製造・販売される、「先発医薬品と同じ有効成分を同量含んでおり、先発医薬品と同等の効き目がある」と認められた医薬品とされていますが、特許期間が切れているのは多くの場合、医薬品の有効成分に関わる物質特許のみで、製造方法に関わる製法特許、製剤特許はまだ特許期間が満了してないケースが多いです。その場合、薬をコーティングする技術、またコーティングに使用される添加物、有効成分を安定化する添加物、有効成分の吸収を助ける添加物などを先発薬と同じにすることは出来ません。そうなると有効成分が何処で溶け出し、患部にどれだけ留まるかという医薬品の効果を左右する性質を先発薬と全く同じにすることは出来ません。
 薬が何処でどんなスピードで溶け出し、吸収されるかはその薬の使用目的すら変えてしまう非常に重要な要素で、これは極端な例ではありますが、同じ酸化マグネシウムでも、それが胃で溶け出せば、制酸剤(胃薬の一種)として胃粘膜の保護に働き、大腸で溶け出せば、瀉下薬(便秘薬)として糞便の排出を助けるという風に、溶出する組織によって全く異なる働きをします。
 
一応、ジェネリック医薬品は、有効成分の純度や量を確認する品質試験、医薬品から溶け出した有効成分の量を確認する溶出試験、血液中の有効成分の濃度を比較する生物学的同等性試験、温度や湿度などによる状態変化が基準内であるかを確認する安定性試験という4つの試験によって先発薬と同等な効果があると国から認定されているのですが、生物学的同等試験は、先発薬とジェネリックを投与された被験者における医薬品有効成分の血中濃度を比べて、それが同じならば、治療効果も同じだろうという解釈に基づいて定められている試験なので、あくまで血中濃度の同等性を調べる試験であり、治療効果そのものの同等性を調べる試験ではありませんまた、被験者の体質、体調によって結果にばらつきが出ることを考慮して血中濃度の80%~125%までの差異は許容域として「統計学的には差がない」と容認された上での「同等」なので、厳密な意味での「同等」ではありません。
 
正確な血中濃度のコントロールが必要とされる、免疫抑制剤、抗悪性腫瘍剤、催眠剤、向精神薬、血圧降下剤、糖尿病剤などではジェネリック医薬品の使用は避けたほうが良いようです。
 
飲まない方がよいジェネリック医薬品を調べるにあたって、大木皮膚科さんのブログを参考にさせて頂いたのですが、
 
大木皮膚科さんのブログは公的機関ではなく一般の医療機関のブログなので、直リンクする事は出来ませんが、ジェネリック医薬品の問題点や、良い点の両方についてとても詳しく説明されているので、興味がある方は、「大木皮膚科 ジェネリック」のキーワードで検索してみて下さい。患者さんの安全を第一に考えたとても信頼のおけるお医者さんだと思われます。
 
 
また、日本小児神経学会では、2008年に
1. 先発医薬品と後発医薬品の治療的同等性を検証した質の高いエビデンスはない。
2. 一部の患者で、先発医薬品と後発医薬品の切り替えに際し、発作の悪化、副作用の出現が報告されている。
などの理由から、
「てんかん患者の抗てんかん薬治療においては、先発医薬品と後発医薬品、あるいは後発医薬品同士の切り替えに際して、医師および患者の同意が不可欠であるとともに、充分な情報提供が求められる。」という提言を行っているようです。
 
更に、ジェネリック医薬品は製造コストを下げて安価な商品を提供するために、原薬を中国、韓国、インドなどの海外で製造している事が多く(先発薬でも海外製の原薬を使用しているものも一部有り)、適正製造基準の検査は実地ではなく、書面だけで通ってしまう事もあると言うことなので品質面や安全面に懸念が残ります。
ジェネリック医薬品の製造メーカーの中でも大手に関しては、品質管理や安全管理にコストをかける資金力があり、信頼できる企業もあるようですが、それらの企業であっても原薬の製造拠点は海外なので、相手国の状況によって供給がストップしてしまい必要な時に手に入らないという事態も考えられますので、安定供給の面では不安が残ります。
 
国が医療費の削減のために、ジェネリック医薬品の普及を推し進めていて、定められた割合以上のジェネリック医薬品の処方箋枚数を達成出来なかった薬局には「調剤報酬の減額」というペナルティーが課されるので、薬局からはジェネリック医薬品の使用を勧められる事が多いと思いますが、
命に関わる重篤な疾患である場合、極力、先発薬を選んだ方が安全だと思われます。
 
 
続いては、経口バンコマイシンによるPSC治療を受けた患者さんの、治療開始までの経緯と開始後の経過を記していきます。
 
・この患者さんは全てカプセル剤による経口バンコマイシンの投与を受けました。液剤での投与はありませんでした。
 
・全体を通して「バンコシン」という名称はもともとはイーライリリー社によって開発され、ViroPharma社にライセンス供与され、後にはANI Pharmaceuticals社にライセンス供与された先発医薬品のバンコマイシンに言及する時に使います。
 
・また、ViroPharma社とANI Pharmaceuticals社のジェネリックブランドも先発医薬品と同一のもの(※)なので他のジェネリック医薬品と差別化する為に、「バンコシン」と呼びます。
 
ブログ主注釈: ジェネリック医薬品の中でもオーソライズド ジェネリック (AG)と呼ばれるものだと思います。先発薬メーカーから許諾を得て、有効成分、製造方法、製造技術、添加物、製造ラインなどが全て先発医薬品と同一の条件で作られたジェネリック医薬品です。
 
・その他のジェネリックブランドはシンプルに「ジェネリック バンコマイシン」と呼びます。
 
 
 2010年4月、患者さんが13歳の時に、ニキビ治療のために、毎日、ドキシサイクリンの投与を開始しました。その4ヶ月後に彼女は血の混じった下痢の症状を呈しました。
ドキシサイクリンとPSCの関連性については以前からその可能性を提起されています。
 シプロフロキサシン、メトロニダゾールで10日間、ニタゾキサニドで4日間治療すると症状は改善したが、これらの薬の投与をやめてしまうとまた症状が再発しました。
 それからも彼女はドキシサイクリンを服用し続け、5ヶ月後に結節性紅斑の初期症状で入院しました。
 この時、彼女のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)は56〔正常の上限は35 IU/L〕、アルカリフォスファターゼ(ALP)は190〔正常の上限は119IU/L〕、核周囲の抗好中球細胞質抗体(p-ANCA)陽性、総ビリルビン、直接ビリルビンは正常で結腸内視鏡生検で結腸全体に中程度の慢性活動性大腸炎と回腸末端と盲腸における急性及び慢性炎症が示されました。
 ドキシサイクリンの服用をやめると結節性紅斑は解消しました。
 彼女はメサラミンの投与を開始しましたが、それにより血の混じった下痢と腹痛が悪化し、その後のブデソニド、それに次ぐバルサラジドによる治療も下痢の悪化を引き起こしたので、全ての投薬治療を中止する事を選択し、VSL#3プロバイオティクス、クルクミン、サボテンジュースによる6ヶ月間の非処方薬治療を始めました。しかし、彼女は1日に最大4~5回の下痢を経験し続けブリストルスケールはタイプ7でした。
【図3 ブリストルスケール】
 
 2012年7月、15歳の時、彼女は潰瘍性大腸炎に対するアザチオプリン療法の開始のためにスクリーニング血液検査を受け、肝機能検査の値がALT221 IU/L(基準値7-35)、ALP221 IU/L(基準値45-119)、AST88 IU/L(基準値8-41)、GGT397 IU/L(基準値9-29)まで上昇している事が明らかになりました。MRCPでは肝門部近くに総胆管の7mmの拡張が見られましたが、他にPSCを示唆する変化は無く、肝内の大きな管の関与も見られませんでした。肝生検を行ったところ、同心性線維症と胆管増殖を伴う門脈へのリンパ球の浸潤が認められたので、small  duct PSCと診断されました。
 患者さんは潰瘍性大腸炎に対するアザチオプリンに加えて、ウルソデオキシコール酸(UDCA)300mg1日2回の投与を開始して、肝臓の検査値は改善したが、正常化はしませんでした。アザチオプリンの投与開始から10日以内に吐き気、嘔吐、心窩部痛の症状を呈したため、アザチオプリンを中止する事でこれらの症状は解消しましたが、下痢は続きました。
 
 
 2012年、10月、以下の論文に基づいてカプセル剤の形で経口バンコマイシン500mgを1日3回(35mg/kg/日)投与するテストを開始しました。
『経口バンコマイシン:免疫調節抗生物質による小児原発性硬化性胆管炎の長期治療』

 

 
UDCAに対する生化学的反応が部分的にしかなかったのでUCDAは中止されました。
 
以降、経口バンコマイシンのみによる治療が続きます。
下のグラフのポイントA~Iの時点での出来事を解説していきます。
【図4】
 
〘ポイントA〙
 上記の経口バイコマイシン投与の開始はの図4のポイントAにあたります。この時服用した薬はジェネリック医薬品の経口バンコマイシンでAkron Pharmaceuticalsのものになります。これにより2週間以内に下痢は治まり、便は硬くなり(ブリストルスケールタイプ4)、患者さんの体重は増加しました。
 
そして、バンコマイシン経口投与5ヶ月後の肝機能検査値は大きく改善し、
 ALT 9 IU/L (基準値 7–35), ALP 180 IU/L (基準値 45–119), AST 27 IU/L (基準値 8–41),  GGT 46 IU/L (基準値 9–29)でした。
 
〘ポイントB〙
2013年、8月。トランスアミナーゼ(※)が完全に正常化していなかったので、用量を750mg1日3回(40mg/kg/日)に増量しました。いくつかのジェネリックブランドで、一部の患者さんの腸内での濃度が異なるという事があったので、ジェネリックバイコマイシンをViroPharma, Inc.の経口バンコシン(先発薬、若しくは先発薬と同等のもの)に変更しました。
 患者さんの肝機能は、ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)が55 IU/L (通常の上限値は 29 IU/L)と軽度に上昇した事を除いて正常化しました。
 
 
トランスアミナーゼ: アミノ酸からアミノ基を取ってケト酸(2-オキソ酸)にし、アミノ基を他のケト酸に与えてアミノ酸にする酵素の総称。ALP、ALT、GGTなど。
 
〘ポイントC〙
2014年10月。用量を朝1000mg夜750mgに減らしたところ、肝機能検査値が急上昇しました。
 
〘ポイントD〙
2014年、11月。1000mgを一日2回(35mg/kg/日)に増量しました。肝機能検査値は完全に正常化しました。
 
〘ポイントE〙
 数ヶ月後、急性伝染性単核症により偶発的に一時的な肝機能検査値の上昇が起こりました。
 
〘ポイントF〙
 2016年、1月。バンコシンの保険適用が継続されなかったため、Alvogenブランドのジェネリックバイコマイシンカプセルに切り替えました。患者さんは2週間以内に軟便と肝機能検査値の上昇を経験しました。
 
〘ポイントG〙
 翌月、薬をバンコシンに戻しましたが、その時、ライセンスはANI Pharmaceuticalsによって取得されていました。彼女の便と肝機能検査値は再び正常になりました。
 
〘ポイントI〙
 2019年7月。彼女はバンコシンの投与を続けていたのに軟便を経験し、肝機能検査値が上昇しました。
GGT 46–83 U/L (正常値の上限は60 U/L未満)で、 カルプロテククチンは38.2–423.8 μg(正常値の上限は50 ʯg未満)でした。
 彼女は、最初、用量を750mg1日3回に増やし、それから、1000mg1日3回に増やしましたが、彼女の腸の症状も肝機能検査値も改善しませんでした。
 ANI Pharmaceuticalsがその年の第2四半期に製造施設の場所を変更していた(ポイントH)のを知ったあと、おそらくはカプセル化の方法の変化に関与していると思われる製造施設の変更が腸におけるバイオアベイラビリティの(※)問題の原因になっている事を疑って、患者さんはカプセルを開けてから薬を摂取し始めました。
 
バイオアベイラビリティ: 人体に投与された薬物のうち、どれだけの量が全身に循環するのかを示す指標。生物学的利用能ともいわれる。
 
 2週間以内に彼女の肝機能検査値は正常化し、胃腸の症状は完全に解消し、カルプロテククチンは73.4μg(正常値の上限は50 ʯg未満)まで減少し、次の2週間で正常化しました。
 
彼女は薬の投与量を通常通りの1000mg1日2回に戻し、バンコシンのカプセルを開けて、服用し続けました。
 
PSCの診断から8年後のサーベイランスMRCPスキャンでは、正常な肝内胆管を持つ正常な肝臓が示されました。総胆管の拡張も解消されていました。磁気共鳴エラストグラフィーの結果は正常の範囲内でした。その後の毎年のサーベイランス結腸内視鏡検査では、生検で休止状態~軽度の慢性大腸炎しか示されませんでした。2020年9月の時点で彼女の結腸内視鏡検査と生検は肝機能検査値と同じく正常でした。
 
ALT 20 IU/L (基準値 10–35), ALP 51 IU/L (基準値 35–105), AST 
26 IU/L (基準値 10–35), and GGT 22 IU/L (基準値<40)

新型コロナワクチンについて大阪府泉大津市市長の勇気ある発信

大阪府泉大津市市長の南出氏が市民に向け、新型コロナワクチンについて忖度のない情報を発信されています。

https://youtu.be/jWzt5dB8FFk 

厚生科学審議会での新型コロナワクチンによる副反応疑い報告数

・死亡数 2058人

・重篤副反応数 26363人

小さなお子さんにも亡くなられた方がいます。

各国の追加接種の状況を示したグラフです。

2022年の8月頃から積極的に追加接種を続けているのは日本だけという状況が分かります。

泉大津市の職員さんが頻回接種・繰り返し接種にあたる6回目の接種の安全性について厚生労働省に問い合わせたところ、「(安全性については)分かりませんと回答が返ってきたそうです。

当初、厚生労働省ではワクチン接種歴別のコロナの感染状況を公表していて、ワクチン未接種者の方が感染しやすい事を示すための資料だったが、「接種歴不明の人(ワクチン接種歴の項目が未記入の人)」を「未接種」に入れてカウントしている事を、名古屋大学名誉教授の小島勢二氏や柳ケ瀬参議院議員に国会で追求され、正しい分類の仕方で集計し直したところ、ワクチンを接種した人のほうがかかりやすくなっていると言うことが各年代毎に明らかになってきました。

上の図は2022/8/22~28の年齢別と接種歴別の感染状況(10万人あたり)を示す表ですが、殆どの年代で接種者の方が感染者数が多くなっています。

この後、厚生労働省は接種歴別の感染状況を示す資料を一切公開しなくなりました。厚生労働省と政府はワクチン接種に肯定的な情報以外は国民に開示するつもりがないのでしょう。

インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの接種回数をほぼ同じに揃えて比較すると、新型コロナワクチンの異常なまでの副反応の多さ、安全性の低さが明瞭になります。

新型コロナワクチンはインフルエンザワクチンと比べて、死亡報告数が50倍以上である事が分かります。

mRNAワクチンが人類にとって未知の医薬品である事を踏まえ、副反応の危険性を注視してほしいと南出市長は仰っています。

過去44年間の全ワクチンにおける被害が

・認定累計3522件 ・死亡認定累計151件

であるのに対して、

接種が始まってまだ2年しか経っていない新型コロナワクチンはすでに

・認定累計1829件(審査中4671件) ・死亡認定累計41件

に達しています。

そして被害を申請してもまだ審査にすら至らず未着手の被害報告が4000件以上あり、時間とともに更に増加してきている事がグラフから読み取れます。

最初、厚生労働省は新型コロナ感染症にかかって心筋炎・心膜炎になる頻度の方がワクチンを打って心筋炎・心膜炎になる頻度よりも高いとする資料を公開し、その根拠となるデータとして新型コロナ感染症にかかった人100万人あたりの心筋炎・心膜炎の発生件数が834件であるというグラフを提示していたが、実はそのグラフの母数が「新型コロナ感染症にかかった人」では無く、「新型コロナ感染症にかかって入院した人」であったことが判明し、それを国会で追求されると、国民になんの説明もないまま、そのグラフをしれっと別のものに差し替えました。

・ワクチンの頻回接種によって、病原体を排除する能力の低いigG4抗体が増加し、他の抗体が十分に応答出来なくなる。そのために他の病気まで悪化する危険性。

体内に入ったワクチンの成分は直ぐには分解されず、体中を駆け巡ります。ワクチンによってスパイクタンパクを発現した細胞は自己免疫の攻撃対象になる危険性。

・スパイクタンパク自体が毒性を持ち、血管障害を起こすという報告。

・米国では今回のワクチンに関する副反応の種類が報告されているものだけでも1200種類以上。

・その他にも、心筋炎、心膜炎、月経異常、超過死亡の激増など、ワクチンとの因果関係はまだ明確には立証されていないものの、接種に伴って生じてきている現象に対して警鐘を鳴らす人々が国内外におられ、世界的な議論になっているが、日本ではなかなか話題にならない。

・オミクロン型対応ワクチンや頻回接種にはわからない事ばかり。

「6回目はどこの国も打ってませんが大丈夫なんですか?」と厚生労働省に問い合わせたところ、「わかりません」との返答。

・ワクチン接種を実施されるクリニックの先生方はインフォームドコンセントでワクチン接種の危険性について患者さんにしっかりと伝えてほしいと南出市長は仰っています。

泉大津市では新型コロナワクチン健康被害支援金制度を作り、泉大津市の医師会の先生方とお話し、相談窓口を設け、万が一ワクチン接種によって体調が悪くなった場合には健康被害申請の手続きをサポートし、国に申請が受理されるまでにかかった治療費の3/4を市が補助してくれるそうです。

厚生労働省に予防接種と因果関係があると認定された疾病・障害の中には失明、難聴、麻痺、腹痛、発熱、嘔吐、下痢、帯状疱疹、パーキンソン病、歩行障害、肝機能障害、喘息、アナフィラキシー、顔面神経痛、痺れ、脱力、胃腸炎、めまい、疼痛、皮膚炎、頭痛、関節痛など非常に広範な症例が含まれる。ありとあらゆる症状があり過ぎて、それがコロナワクチンによる副反応だと、気がついていない人もいるのではないか?もしワクチンを接種してから、調子が悪いという人がいたら、スライドに示したような多種多様な症例が既にワクチンによる健康被害として認定されているので、市民の方は市に相談してほしいとの事。また、泉大津市ではワクチン接種後の副反応についてアンケートも行っていて、そこから明らかになった情報については、市民の皆さんと共有しながら、医師会の先生方、医療従事者の方にもお伝えし、体調の悪い方には出来る限りのサポートをしていきたいとの事でした。


 
以下ブログ主の意見
 
新型コロナワクチンを打つか打たないかの選択権が国民ひとりひとりにあるのは勿論のこと、その選択の先にあるものを「自分の決断の結果」として納得感を持って受け入れるには、選択をするにあたっての判断の根拠となり得るような偏りのない情報が国民に十分に共有される事が必要だと思います。
 
しかし、国は、ワクチンを打つメリット、ベネフィットは喧伝してくれますが、デメリットやリスクについては教えてくれません。
(「アゴラ」という専門家が実名で情報発信を行うプラットフォームで、新型コロナ感染症についての記事を掲載した2020年の4月から5月にかけてアクセス数が突然1/3に減少し、何故だろうと訝しんでいたら、新型コロナについて政府の見解以外の内容はヒットしないようにGoogle検索エンジンのアルゴリズムが変えられていたとアゴラ研究所所長の池田氏が述べています。動画の3:10:15のあたりです。 

 
国民には国の方針に合致するよう選別された情報だけが届けられ、副反応のリスクについては「皮膚の発赤やじんましん、その他アレルギー反応、まれにアナフィラキシーショックなどの重篤な反応をおこすことがあります」といったごく僅かで漠然とした情報しか与えられないまま、多くの人は、政府の勧奨に従い接種を決断し、「新型コロナワクチンの効果と副反応を理解し、接種に同意します。」と書かれた同意書にサインする事になりました。しかし、新型コロナワクチンの効果と副反応を正しく理解するための情報が適切に不足なく国民に与えられていたとは言えません。
 
市民が新型コロナワクチンの接種という自身やご家族の命に関わる重大な決断をするにあたり、泉大津市のように地方自治体の長が公の立場から、そのリスクについて丁寧に説明を尽くしてくれ、その上で決断を委ねてくれるというのは市民にとって非常に有り難く有益な事と思いますし、本来であれば、全ての行政体がこうあるべきという正しい姿だと思います。

新型コロナワクチンは自己免疫性疾患を発症、再燃、悪化させる!?

2020年を端緒として新型コロナウイルスが世界で猛威を振るい始め、多くの死者を出し、世界経済を後退させました。このウィルスを克服するために、世界中の国々で新型コロナワクチンの開発が急速に推し進められましたが、この危機的状況を打破する事が急務であったために、新型コロナワクチンの殆どが副作用や有効性に関する十分な研究が行われないまま承認されました。

当初、副反応として報告された症状のほとんどは、ワクチン接種部位の腫れや一時的な痛み、全身倦怠感、発熱、関節痛、筋肉痛、頭痛などであり、 重篤な副反応としては、アナフィラキシー、心膜炎、心筋炎、血栓症なども報告されていますが、ワクチン接種による利益の方が副反応のデメリットを上回ると考えられ、すべての人にワクチン接種が推奨されてきました。

しかし、ワクチン接種が回数を重ね、それによって副反応に関するデータが蓄積されるにつれ、ワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)、自己免疫性肝疾患、ギラン・バレー症候群、バセドウ病、IgA腎症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、成人スチル病などの自己免疫性疾患を発症または再燃したという報告が多くなされる様になりました。

WHOの国際医薬品モニタリング制度のデータベース

( https://www.vigiaccess.org/ )で、「covid-19 vaccine」のキーワードで検索すると新型コロナワクチン接種による副反応の可能性があるとして医師や製薬会社から報告された症状とその症例の数が見れます(国からワクチン接種との因果関係を公式に認定された症例の数ではありません)。

それによると、2023年6月現在でコロナワクチン接種による副反応の可能性があるとして報告された症例のうち、肝胆道系障害の報告数は11698件、そのうち自己免疫性肝炎は790件原発性胆汁性胆管炎は41件。原発性硬化性胆管炎の報告はありませんでしたが、硬化性胆管炎(28件)や胆管炎(125件)、自己免疫性胆管炎(4件)、急性胆管炎(24件)、慢性胆管炎(2件)、免疫介在性胆管炎(2件)、肝障害(803件)、肝硬変(297件)、胆道疾患(34件)などの症例の中に含まれている可能性があります。また、潰瘍性大腸炎の報告数は1982件でした。

コロナワクチン接種によって自己免疫性疾患を発症しても、それがワクチンによるものだとは思わなかった人、報告しようとしたが医師によるバイアスで「気のせい」で片付けられてしまった人、その疾患がもともとの持病に併発する事が多い病気である為にコロナワクチンに原因があるとは考えず未報告の人も沢山いると考えられますので、実際の数は報告されたよりももっと多くなると思われます。

新型コロナワクチンが自己免疫性疾患を誘発する原因としては、

【1】ワクチンによって生成された新型コロナウイルスのスパイクタンパクと人の細胞の構造の一部が似ている為に、スパイクタンパクの抗体が人の組織と交差反応(狙った抗原と構造が似た別の抗原にまで反応してしまう事)し、自己を攻撃してしまう。

【2】人の細胞に入り込みスパイクタンパクを生成するmRNAワクチンが長い間体内に残存し、スパイクタンパクを産生し続け、それが人の細胞の表面に運ばれ、抗体やT細胞に敵として認識され、自分の免疫に攻撃される抗体依存性自己免疫反応を引き起こす。

mNRAが長期間体内に残存し続ける理由としては、mRNAが十分にスパイクタンパクを産生する前に分解され無いように、ワクチン製造段階で、mRNAを構成する塩基の1つウリジン(U)を、N1メチルシュードウリジン(Ψ)に置換する処理が行われ、ヒトの免疫から異物と認識されにくくなっているからと考えられる。

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000757255.pdf&ved=2ahUKEwiV1ofZ587_AhWkjVYBHQ_yBhoQFnoECAcQAQ&usg=AOvVaw3rVBrvW9w_I24EQ1nBS-VV

厚生労働省 第3回医薬品等行政評価・監視委員会 資料 7ページにウリジン(U)のN1メチルシュードウリジン(Ψ)への置換についての記載

【3】免疫を活性化してワクチンの効果を増強するためにワクチンに添加されるアジュバント(免疫賦活剤/免疫補助剤)が免疫応答を過剰に強化し、免疫介在性疾患や炎症を引き起こす。このアジュバントによる症状は以前から「ASIA (Autoimmune/inflammatory syndrome induced by adjuvants アジュバント誘発性自己免疫/炎症性症候群)」として知られていたが、従来のスクワレンやアルミニウム塩を用いたアジュバントと比べて、新型コロナワクチンにアジュバントとして用いられているLNP (脂質ナノ粒子)は非常に強力な免疫賦活能を持っている事。

などが報告されています。

 

また、新型コロナワクチンに限らず同じ抗原を繰り返し接種する事で自己抗体を誘導し、自己免疫疾患を引き起こす危険がある事が2009年に日本の研究者によってマウスを用いた実験で明らかになっています。

『免疫の自己組織化臨界現象理論』

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2795160/  

免疫システムの臨界を超えるレベルで繰り返し抗原を投与し、免疫すると、ヘルパーT細胞が過剰刺激され、自己抗体を誘導できる自己抗体誘導性ヘルパーT細胞が生まれ、その後、細胞傷害性T細胞が過剰刺激され、抗原特異的細胞傷害性T細胞となり、マウスに全身性エリテマトーデスに似た自己免疫組織損傷が引き起こされたそうです。

【1】【2】については名古屋大学名誉教授の小島勢二氏による記事(記事①)が非常に分かりやすく参考になるので是非読んで頂きたいです。

記事①

『mRNAワクチン接種後に見られる自己免疫疾患の増加:新規発症機序の可能性』

https://agora-web.jp/archives/230314044129.html  

小島教授の記事によれば、

コロナワクチンの接種が開始される以前に発表された論文に、すでに、抗スパイクタンパク抗体は、検討した55種類のヒト組織抗原のうち25抗原と交差反応することが示されていたため、ワクチンの接種で産生された抗スパイクタンパク抗体が、交差反応を示すヒト臓器を攻撃して自己免疫疾患を引き起こす可能性が危惧されていた、とのこと。

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fimmu.2020.617089/full 

交差反応に加えて更に自己の細胞が攻撃される原因となるのが、mRNAワクチンを取り込んだヒトの細胞の表面に表出するスパイクタンパクです。

mRNAワクチンは人の細胞内にスパイクタンパクの設計図となるRNAを送り込み、細胞内のリボソームで設計図に基づいてスパイクタンパクが合成され、それが、細胞の表面に運ばれて提示されます。ヘルパーT細胞が提示されたスパイクタンパクを異物と認識すると、B細胞はヘルパーT細胞から指示を受けてスパイクタンパクに対する抗体を産生し、同じくヘルパーT細胞から指示を受けた細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)がスパイクタンパクの存在する細胞を攻撃します。

(文字だけでの説明では分かりづらいかと思います。お時間のある方は、記事の最後の方で紹介する柳ケ瀬議員と新田准教授の対談動画を是非ご覧下さい。免疫機構とmRNAワクチンの仕組みについて詳しく説明して下さっています。)

なので、mRNAワクチンを取り込む細胞というのは、自分の身を犠牲にして、免疫細胞に攻撃されるのを覚悟の上で、スパイクタンパクをそれらの細胞に提示して覚えてもらう、いわば生け贄のような存在なのです。

製薬会社の当初の説明の通り、mRNAワクチンがスパイクタンパクを産生後、速やかに分解されれば問題はなく、注射を受けた筋肉部位にある細胞の最小限の犠牲だけで済むのですが、実際にはmRNAに施された修飾のためにそうはならず、mRNAワクチンは分解されないまま体内を巡り、体中でスパイクタンパクを産生し、生け贄を増やし続けます。

小島教授の記事①によれば、デンマークの研究では接種後最長28日間ワクチン由来のmRNAが血液中に残留し続け、10人に1人はワクチンが分解されずに一定期間血中を循環する事が判明したとの事です。

『SARS-CoV-2 スパイク mRNA ワクチン配列は、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種後最大 28 日間血液中を循環』

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36647776/  

ファイザー 社の薬事申請資料の16ページには、マウスの筋肉に注射すると、注射された筋肉部位の他に、肝臓、脾臓、副腎、卵巣からもワクチン由来のmRNAが検出されたことが記載されています。

https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwii98WEztr9AhWvm1YBHc3gDrkQFnoECBAQAQ&url=https%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Fcontent%2F10601000%2F000739089.pdf&usg=AOvVaw0XM415u01RCWXmKd5kTy9s

また、記事①の図2の病理組織像からは、ワクチン接種後に亡くなられた患者さんの筋肉、脳、心筋、冠動脈細胞の一部がスパイクタンパクを産生していた事が見て取れます。

更に、ファイザーが欧州医薬品庁に提出した新型コロナワクチンに関する評価報告書では、ラットでの薬物動態分布研究により、接種したワクチン総用量の比較的大きな割合 (最大 18%) が肝臓に分布することが実証されました。肝臓に重度の病因が無いラットにおいて、肝臓と胆管への影響が見られ、可逆的ではあるものの、肝臓の肥⼤、空胞化、γGTレベルの 200%を超える上昇 および活性の⼤幅な増加、AST レベルおよび活性の軽度から中程度の上昇が生じたと報告されています。

https://www.ema.europa.eu/en/documents/assessment-report/comirnaty-epar-public-assessment-report_en.pdf

(55ページ)

スパイクタンパクを認識するT細胞によって自己免疫性肝炎を発症した症例も報告されています。

『SARS-CoV-2ワクチン接種はCD8 T細胞優性肝炎を引き起こす可能性がある』

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35461912  

この研究の対象となった患者さんでは1回目のコロナワクチン接種後に肝炎を発症したが、その後、改善が見られたので、2回目のワクチンを接種したところ再度肝機能が悪化したそうです。

肝炎の重症度は、EBウィルス(ヘルペスウィルスの一種)特異的なキラーT細胞では無く、新型コロナウイルス特異的なキラーT細胞やワクチンによって誘導された免疫グロブリンの細胞傷害性表現型の活性化と相関性があったそうです。

肝臓の炎症は新型コロナウイルス感染中に観察されますが、一部の人ではワクチン接種後にも発生する可能性があり、この研究では、新型コロナワクチン接種後の肝炎症患者において、高度に活性化されたT細胞が蓄積し、肝臓のさまざまな領域に均等に分布していることが示されました。さらに、これらの肝臓浸潤 T 細胞の集団内で、新型コロナウイルスに反応性のある T 細胞の濃縮が観察され、この前後関係から、これらのワクチンに誘導された細胞が肝臓炎症に寄与している可能性があることを示唆しています。

【3】また、ワクチンに添加されるアジュバントも自己免疫性疾患を引き起こす可能性があるとして多くの論文でその危険性が報告されています。

アジュバントとは、何かについてですが、

生ワクチン以外の不活化ワクチンやmRNAワクチン、ウイルスベクターワクチンなどでは病原体が本来の形や性質とは違った形で投与されるので(熱や化学物質による処理で完全に死んでいたり、本体の断片だったり、本体の一部のRNAだったり)、生ワクチン程の免疫反応は起こせません。免疫が十分に働かないと、ワクチンの効果もあまり期待出来ないので、免疫を活性化させる為にワクチンに添加されるのがアジュバントです。また、免疫が活性化されれば、少ない抗原でワクチンの効果が得られるので、ワクチンの生産量と生産スピードが増大し、薬価も下がります。免疫機能が未発達な幼児や免疫機能が低下している高齢者に対するワクチンの効果を高める事にも寄与します。

このように、アジュバントはワクチンの有効性を高める上で必要な物ではあるのですが、反面その免疫賦活能のため(しかも、何故、免疫が活性化するのか、作用機序が未だ明らかになっていない)、新型コロナワクチンの登場以前から、インフルエンザワクチン接種後のギラン・バレー症候群やナルコレプシー、子宮頸がんワクチン接種後の線維筋痛症などワクチン接種後に発現する自己免疫性疾患や神経障害との因果関係を疑われて来ました。

2011年にイスラエルの免疫学者シェーンフェルド氏によって、いずれもワクチンやアジュバントに関係して発症する疾患であるが、別々の病気でとして扱われてきた、マクロファージ筋膜炎(MMF)、湾岸戦争症候群(湾岸戦争に従軍した兵士が短期間に多くのワクチンを接種した事で起こった病気)、ワクチン接種後の各種自己免疫疾患、シリコン樹脂による自己免疫疾患(シリコンにもアジュバント作用がある)などを統一的に一つの症候群として「ASIA (Autoimmune/inflammatory syndrome induced by adjuvants アジュバント誘発性自己免疫/炎症性症候群」と呼称する事が提唱されました。

但し、アルミニウムアジュバントを投与された患者さんで、全身性エリテマトーデスが悪化しなかった研究結果や、アルミニウムアジュバントを投与された患者さんと投与されなかった対象群を比べて投与された患者さんの方が自己免疫疾患の発症率が低かった研究結果もあり、ASIAの存在に懐疑的な論文も存在します。

https://www.chop.edu/centers-programs/vaccine-education-center/vaccines-and-other-conditions/autoimmuneinflammatory-syndrome-induced-adjuvants-asia  

これまで、日本でワクチンのアジュバントとして使用されてきたのはアルミニウム塩やスクワレンですが、今回、新型コロナウィルスに対するmRNAワクチンに採用されているのはLNP(脂質ナノ粒子)というアジュバントです。LNPは油の膜のようなものでmRNAはこれに包まれて細胞内に送り込まれます。LNPの免疫賦活作用はこれまでのアジュバントに比べても非常に強力で、下の図の様に、インフルエンザの抗原を投与されたマウスにおける免疫反応を調べた研究では、mRNAを全く含まないLNPのみの接種、あるいは接種したインフルエンザ抗原とは全く無関係の(要するに役に立たない)mRNAを内包したLNPの接種によって、抗原のみの接種の256倍以上、従来型のスクワレンによるアジュバントの8倍以上の中和抗体を産生しています。

【図1】

このように、LNPが誘導する免疫反応は非常に際立ったもので、それによる炎症性の高さも懸念されています。下に示す論文では10μgのLNP をマウスの皮内に注射したところ、大量の好中球浸潤、多様な炎症経路の活性化、およびさまざまな炎症性サイトカインとケモカインの産生を特徴とする、急速かつ強力な炎症反応を引き起こし、同量のLNPを鼻腔内に投与すると、肺でも同様の炎症反応が引き起こされ、80%のマウスが24時間以内に死亡したそうです。

『前臨床ワクチン研究で使用される mRNA-LNP プラットフォームの脂質ナノ粒子成分は炎症性が高い』

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8604799/#bib17  

因みに、新型コロナワクチンから話が逸れますが、前述したようにインフルエンザワクチンなどの新型コロナワクチン以外のワクチンにもアジュバントは含まれています。

新型インフルエンザワクチンについては、日本製のワクチンにはアジュバントは含まれていませんが、海外から輸入したワクチンにはアジュバントが含まれています(なので日本製のワクチンは副反応は少ないが効き目も少ないと言われている)。

厚生労働省の新型インフルエンザQ&Aのページには

「スイスでは規制当局がノバルティス社製ワクチンを自己免疫疾患の患者に用いるべきではないとの勧告を行ったが、日本でも自己免疫疾患の患者に対してこのワクチンを使わないようにするのか? 」

との問いに対し

「スイス規制当局からの要請により、輸入ワクチンの製造会社であるグラクソ・スミスクライン社とノバルティス社は、

『本剤に対する明らかな自己免疫疾患の患者を含んだ臨床試験は存在しない。また、抗原及び/又はアジュバントが自己免疫疾患の悪化をもたらす可能性を否定できないため、急性で重篤な自己免疫疾患の患者に対する本剤の接種は、推奨されない。』

と添付文書を改訂したが、スイス以外の国では添付文書の改訂は求められていない事、ヨーロッパで、輸入ワクチンの投与後に、膠原病などの自己免疫疾患の症状が悪化したとの報告はあるが、因果関係は不明とされていることなどをふまえ、自己免疫疾患をお持ちの方々が、輸入ワクチンを接種する際には、よく医師と相談した上で、接種の必要性をご判断ください。なお、我が国では、自己免疫性疾患に限らず、重篤な急性疾患である場合には接種不適当とされております。」

と回答されているので、もしもインフルエンザのワクチンを接種される場合には海外製のものでないか十分に注意されて下さい。

個人的にはアジュバントの添加も心配ですが、臨床試験で自己免疫疾患の被験者さんに対する調査は行われていないという点も心配です。

また、「新型インフルエンザワクチンは他のワクチンと同時接種出来るか?」

という問いに対し、

「輸入ワクチンにはアジュバントが入っているため、他のワクチンとの同時接種は控えることが望ましい」と回答があるので、その点にもご注意下さい。

厚生労働省 新型インフルエンザQ&A

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_vaccine_qa.html 

以上【1】【2】【3】が新型コロナワクチンが自己免疫疾患を引き起こすのではないかと考えられる理由になりますが、自己免疫疾患の発症と悪化に対する懸念とは別に気がかりな点が一つあります。

下の図はワクチン投与前(○)、投与2日後(緑○)、8日後(緑♢)の、CRP値(グラフa)、リンパ球(グラフb/ Lymphocytes)、好中球(グラフc/ neutrophils)の数を表したグラフですが、実際の製品と同じ30μgのワクチンを投与された被験者さんのグラフを見ると、投与2日後にリンパ球の数が減少し、大半の方が基準値(点線部分)を下回ってしまっています。もしこのリンパ球が減少したタイミングで、ワクチンでは無く、本物の新型コロナウイルスや他の致命的な疾患の原因となるウィルスに感染してしまったら、ワクチンを打たずに感染した場合よりも更に危険な事になるのではないかと思います。もし、新型コロナワクチンを接種する場合は、リンパ球の数が回復する接種後8日までは特に細心の注意を払って感染対策をした方が良いと思われます。

【図2】

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.12.09.20245175v1.full 

また、今日では、コロナワクチンの副反応による自己免疫疾患発症の可能性を報告する論文が海外で多く発表されていますが、日本においても例外ではなく、横浜市立大学医学部の教授らが、実際にigG4関連疾患を発症した症例を具体例に挙げて、新型コロナワクチンが自己免疫性疾患を引き起こす可能性を示唆する論文を発表されています。(記事の最後に日本語訳を載せておきます)

論文①

『新型コロナウイルス感染症ワクチン接種と自己免疫疾患の発症』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/62/10/62_1490-22/_article/-char/ja/ 

また九州大学病院においても

「本邦において、2021年2月よりCOVID-19ワクチンの接種が始まり、2021年12月には概ね8割程度の国民が2回の接種を終えていますが、いくつかの自己免疫性疾患において、新型コロナワクチン投与後に原疾患の病勢が再燃した症例報告が散見されています。一方で、自己免疫性疾患である潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患においては、COVID-19ワクチン投与後の有害事象に関する調査報告において、病勢の再燃率は2%と報告はあるものの、再燃した症例に関する具体的な検討はなく、詳細は依然として不明です。

 そこで今回我々は炎症性腸疾患において、COVID-19ワクチン投与が、原疾患の病勢の再燃に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、本研究を計画しました。」

として、COVID-19ワクチンの炎症性腸疾患の再燃に及ぼす影響の調査を実施されています。

https://www.intmed2.med.kyushu-u.ac.jp/gut/clinical_16/ 

ここまで、新型コロナワクチンの危険性について述べてきましたが、下記の

『新型コロナワクチン接種が炎症性腸疾患の活動性とワクチン関連の有害事象の発症に及ぼす影響』

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8822409  

という論文によれば、ワクチン接種によって炎症性腸疾患を再燃したのは30日間の調査期間で3316人中71人(2.1%)と低く、ワクチンは安全で信頼性があるという結論でした。

参加された炎症性腸疾患の被験者さんのうち54.6%はクローン病の患者さんで、潰瘍性大腸炎の患者さんの割合は論文からは読み取れませんでした。

ファイザー社製のワクチンを接種した1908人中48人(2.5%)、モデルナ製ワクチンを接種した1247人中22人(1.8%)、ジョンソン&ジョンソン製ワクチンを接種した161人中1人(0.6%)の患者さんが炎症性腸疾患を再燃したそうです。

また、ワクチン関連の深刻な副反応により救急外来への来院または入院が必要となった参加者は、ワクチン1回目接種後に10 名(0.3%) 、2回目接種後に6 名だったそうです。

客観的な数値としてはそれほど高くないように思いますが、もし他人事では無く現実として自分が、3316人中、1回目と2回目の延べ人数で16人が緊急外来への来院や入院が必要になるほどの有害事象を生じるワクチンを打てるかと聞かれると少し難しいように思います。

深刻な有害事象を生じるリスクを上昇させた要素は、一回目の接種に関しては、「新型コロナウイルスの感染歴」「性別が女性である事」「ワクチンがモデルナである事」であり、2回目の接種に関しては「年齢が50歳未満である事」「女性である事」「ワクチンがモデルナである事」「抗TNF薬やベドリズマブを使用している事」でした。これらのお薬を服用されている方は注意された方がいいと思われます。

炎症性腸疾患の再燃率の2%という数値に関しても、専門家の方は低いと判断されるのかも知れませんが、2回目の接種から30日の追跡期間で3316人中71人(2.1%)もの人が再燃してしまうのは一般人の感覚ではあまり安心とは感じられないように思います。

また、新型コロナワクチンによる感染予防効果についても、ワクチン2回目の接種の時点ですでに存在しなかったと明らかになっています。

2022年5月11日の資料によると、4月11~17日に40~49歳、60~64歳、65~69歳、70~79歳の各世代で、4月18~24日には30~39歳の世代でもワクチンを2回接種した人の感染者数(10万人あたり)が未接種者の感染者数を上回り、ワクチンを接種した人のほうがしなかった人より感染しやすいといった状況になっています。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00454/053100005  

今年(2023年)4月に発表された、米国のクリーブランドクリニックにおける5万人以上の被験者を対象とした研究でも2価ワクチンを打った人より打たなかった人のほうが発症率が低いという結果が出ています。そればかりか、ワクチンを打った回数が多ければ多い程、発症率が高いという事がグラフから読みとれます。

【図3】

『新型コロナウイルス感染症2019二価ワクチンの有効性』

https://academic.oup.com/ofid/article/10/6/ofad209/7131292  

しかしながら、治療のために免疫抑制剤を服用しておられる方にとっては、感染以上に重症化リスクが心配される所だと思います。

デルタ株においては、免疫抑制剤を服用しておられる方の死亡リスクはそうでない方の約6.7倍でした。

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000823697.pdf&ved=2ahUKEwjE46GI39T_AhVfglYBHe5UDhIQFnoECAsQAQ&usg=AOvVaw2kpk8pe3uwwWv1FUzlyrby

オミクロン株における重症化リスクについては、見つける事ができた資料の中のサンプル数が少ないために、あまり参考には出来ないかも知れませんが、化学療法・免疫抑制・調整剤を使用されてる方の中等症Ⅱ(酸素飽和度93%以下で酸素投与必要)以上への重症化リスクはそうでない方の2.49倍でした。

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000977550.pdf&ved=2ahUKEwi3lNykndf_AhWLh1YBHT6mAdQ4HhAWegQIAhAB&usg=AOvVaw0w8fMNIhCeRQ74DFcd6qrG

重症化リスク因子を抱えておられる方にとっては、新型コロナワクチンの効果についても重症化予防効果の方が目的とされる所かもしれません。

以下の重症化予防効果についての研究では

「オミクロン流行初期においては、2回接種後6ヶ月以降で、呼吸不全を伴うCOVID-19肺炎に対しては低下したが(点推定値:42%)、人工呼吸器を要するCOVID-19肺炎に対しては高い有効性(点推定値:92%)であった(ともに信頼区間が広く解釈に注意が必要)。また、ブースター(3回目)接種により、呼吸不全を伴うCOVID-19肺炎および人工呼吸器を要するCOVID-19肺炎に対して、ともに有効性が高まった(点推定値:それぞれ86%、>99%)。」

との結果が国立感染症研究所から報告されており、重症化の度合いや、接種回数で予防効果に42%から99%までのばらつきが見られたものの、3回目の接種までに関しては一定の重症化予防効果が示されています。

ただ、この研究の重症化予防効果の算出方法が私には上手く理解できませんでした。研究の対象となったのは急性期病院に呼吸不全で入院した患者さんで、「ワクチン接種者で呼吸不全で入院したがPCR陽性だった人(コロナだった人)の数とワクチン接種者で呼吸不全で入院したがPCR陰性だった人(コロナじゃなかった人)の数の比」を「ワクチン未接種者で呼吸不全で入院したがPCR陽性だった人の数とワクチン未接種者で呼吸不全で入院したがPCR陰性だった人の数の比」で割ったオッズ比を1から引いて重症化予防効果を算出していましたが、これでわかるのは、そのままストレートに、ワクチン接種者とワクチン未接種者それぞれにおいて、呼吸不全になった原因がコロナである事が多いのか、それとも他疾患である事が多いのかと言うことだけではないかと思うのですが、、。「コロナが重症化した人とコロナが重症化しなかった人」の比ではなく、「コロナが重症化した人とコロナ以外の病気が重症化した人」の比でコロナの重症化率を出せるんでしょうか?

 呼吸不全で入院した人のみのデータから、全体の重症化予防効果を出そうとするなら、「ワクチン未接種者全体の中における呼吸不全に繋がりそうな基礎疾患を持っている人の割合」と「ワクチン接種者全体の中における呼吸不全に繋がりそうな基礎疾患を持っている人の割合」の比が分かっていないと全体の重症化予防効果は出せない気がするんですが、、。

分かる方がいたら教えて頂けると助かります。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/12019-covid19-9999-2.html 

上記の研究では新型コロナワクチンには重症化予防効果が認められるという事でしたが、ワクチンの重症化予防効果については、多様なデータが示されています。

以下は浜松市が2022年の1月から7月までのコロナ感染者とワクチン接種回数に関するデータをグラフ化したものですが、ワクチン未接種者よりもワクチン接種者の方が中等症以上に重症化する割合が高くなっています。

【図7】

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/koho2/emergency/covid-19/index.html

(なお、どのような事情があったのかは推察することしか出来ませんが、現在ではそのページは削除されています)

また、以下の英国国家統計局のデータを元にした記事(2022/7公開)では、英国人のワクチン接種の割合が約91%であるのに、死亡者に占めるワクチン接種者の割合が94%で、91%を超えているので、ワクチンには死亡を防ぐ効果が無いと報告しています(死亡を防ぐ効果があるのならば、全死亡者に占める接種者の割合がワクチン接種率の91%より低くなるはず)。

『新型コロナウイルスワクチンによる死亡予防効果はゼロ、ONSデータが示唆』

https://dailysceptic.org/2022/07/27/covid-vaccines-give-zero-protection-against-death-ons-data-suggest/  

また、下のグラフは各国の100人あたりのブースター接種の合計回数を表したものですが、日本以外の国は2022年の前半で既にワクチンの接種を殆どやめてしまっています。日本だけが着々とワクチンを打ち進めて行っている状況です。

【図4】

 

そして、下に示したのが新型コロナウイルスによる累積死者数のグラフになりますが、ワクチン接種をやめてしまった国よりもワクチンを打ち続けている日本の方が累積死者数の増加率が高くなっています。

【図5】

 

下に示したのは日本と韓国の新型コロナウイルスによる累積死者数を表したグラフですが、同じアジアの国で対比するとワクチン接種と非接種の結果の明暗はより鮮明になります。ワクチンを打ち進めた日本は累積死者数が大幅に増加し、ワクチンを打つのをやめた韓国は累積死者数の伸びが鈍化しています。

【図6】

この結果を見るとワクチン接種に重症化を防ぐための効果があったのかどうかには大きな疑問が残ります。

4回目のワクチン接種については、2022年の初頭の段階ですでに、欧州医薬品庁(EMA)が「現時点で4回目接種を支持するデータはない」とし、その必要性に疑念を示していました。

EMAのワクチン戦略責任者、マルコ・カバレリ氏は記者会見で「追加のブースター接種は緊急時の対応策の一部となり得るが、短い間隔で接種を繰り返すのは持続的な長期戦略にはならない」と指摘。

仮に4カ月ごとにブースター接種を行えば、免疫システムに過剰な負荷を与え、国民の疲弊につながる恐れがあるとしています。

https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-ema-briefing-idJPKBN2JM0C4 

ワクチン接種でむしろ免疫反応が低下してしまう原因として「igG4の増加」「繰り返しの刺激による免疫寛容の形成」「ADE; 抗体依存性感染増強」「抗原原罪」などが挙げられます。

まず「igG4の増加」についてですが、抗原に対して産生される抗体は免疫グロブリンと呼ばれ、免疫グロブリンにはIgG、IgM、IgA、IgD 、IgE

の5つのクラスがあります。

ワクチン接種によってスパイクタンパクに対して産生される抗体はigGであり、igGにはigG1、igG2、igG3、igG4という4つのサブクラスがあります。

ウィルスや細菌などの異物を排除する際に効果的に働くのがigG1やigG3であり、igG4は免疫応答が極めて弱く、igG1やigG3ほど上手くウィルスや細菌を排除する事が出来ません。その上、他の抗体が病原体に結合して攻撃しようとする時に抗体の方にくっついて攻撃を邪魔するという性質があります。なので、花粉など本来排除しなくていい抗原が侵入した場合、それらに抗体がくっつくのを邪魔してアレルギー反応を抑えるという役目はあるのですが、病原体など排除すべき抗原が侵入した時には、igG4の存在はヒトにとってあまり助けにはなりません。

 しかし、新型コロナワクチンの接種を繰り返すとスパイクタンパク抗原が侵入してきてもigG3は殆ど発現しなくなり、代わりに、本来なら極めて少ない量しか存在しないはずのigG4が激増します。その事は以下の論文で実証されており、接種前からワクチン2回目接種後までは殆ど検出されなかったigG4が、ワクチン2回目接種の210日後におけるフォローアップ調査の時点で、igG3に取って代わるように激増しています

『SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種を繰り返した後、非炎症性スパイク特異的IgG4抗体へクラススイッチ』

https://www.science.org/doi/10.1126/sciimmunol.ade2798

下の図のグラフBで示されているのが、被験者から採取された血清中のigG1、igG2、igG3、igG4 の検出量です。灰色の○で表されているのは感染してしまった人です。

グラフCで示されているのは、抗スパイクタンパクigGの応答に占める各々のigGサブクラス(igG1,igG2,igG3,igG4)の割合ですが、2回目接種後には全体の0.04%しか見られなかったigG4の応答が、2回目接種の210日後には4.82%になり、3回目接種の180日後には19.27%にまで膨れ上がっています。

【図7】

この論文の内容を受け、ワクチン接種によるigG4の増加は免疫機能を低下させ新型コロナウイルスに対する抵抗力を弱め、また、がんを促進する危険性があると警鐘を鳴らしているのが次の論文です。

『ワクチン接種の繰り返しによって誘導される IgG4 抗体は、SARS-CoV-2 スパイクタンパク質に対する免疫寛容を生成する可能性がある』

https://www.mdpi.com/2076-393X/11/5/991 

以上の論文の内容については、次の動画で東北有志医師の会の駒野博士が非常に丁寧に解説して下さっています。学校の教材にすればいいのではと思うくらいの分かりやすさなので、時間がある人はぜひご覧下さい。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm42355459 

東北有志医師の会 ホームページ

https://tohokuishi.localinfo.jp/

igG4は、Bリンパ球、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、好中球などの免疫細胞のfc受容体と結合するためのfc領域の親和性が弱く、免疫細胞と上手く結合出来ません。そして、補体という本来、抗体と協力して抗原を攻撃してくれるはずのタンパク質と結合する事も出来ません。

なので、igG1やigG3などの他のサブクラスの抗体と比べて、免疫応答が非常に弱いです。

そして、igG4のfc領域は免疫細胞のfc受容体との結合性は弱いですが、他の抗体のfc領域とは上手くくっつきます。そして、病原体を攻撃しようとしている他の抗体にくっついて攻撃を邪魔します。よって、新型コロナウイルスに感染した時に、体内でのigG4の発現が多いと言うことは、ウィルスを効果的に排除出来ない事を意味します。

以下の論文によれば、igG4の発現レベルとコロナウイルス感染時の生存率には負の相関性があり、igG4の発現レベルを見る事で新型コロナウイルス感染症の転帰を予見する事が出来ると述べています。

グラフBの上の図は、経過日数(横軸)とigG4の発現量が700mg/Lを超える場合と超えない場合の生存率(縦軸)、下の図は、経過日数とigG4とigG1の比がが0.05を超える場合と超えない場合の生存率を表しています。20日が経過した時点で、igG4の発現量が700mg/Lを超える場合は、700mg/Lを超えない場合より40%も生存率が低い事が分かります。

このように、ワクチンを接種すればするほど、ウィルスは免疫を回避しやすい環境を手に入れ、新型コロナ感染症は重症化しやすくなるのです。

【図8】

『血清IgG4レベルは新型コロナウイルス感染症関連死亡率を予測する』

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8461218/  

論文では、igG4増加するとがんが進行する仕組みにも触れています。

前述のように、igG4 には他の抗体のfc領域に結合してその抗体による病原体への攻撃を邪魔する性質があります。がん細胞を攻撃しようとがん抗原に取り付いたigG1のfc領域に、補体やナチュラルキラー細胞やマクロファージよりも先にigG4が結合してしまい、また、ナチュラルキラー細胞やマクロファージ側のfc受容体にもigG4が結合し、免疫細胞や補体による補体依存性細胞障害(CDC)抗体依存性細胞障害(ADCC)抗体依存性細胞貪食(ADCP)といった免疫応答を阻害してしまいます。

その結果、がん細胞を排除出来なくなり、がんが進行します。

※補体依存性細胞障害(CDC)とは、補体に、病原体と結合した抗原が作用する事で、補体が膜攻撃複合体を形成して病原体の細胞膜に穴を開ける事。

抗体依存性細胞障害(ADCC)とは、ナチュラルキラー細胞やマクロファージなどのfc受容体に病原体と結合している抗体のfc領域が結合する事でシグナル伝達経路が活性化され、溶解酵素、グランザイム、腫瘍壊死因子(TNF)など様々な物質が分泌され、病原体を攻撃する事。

抗体依存性細胞貪食(ADCP)とは、病原体の抗原に抗体が結合する事で、マクロファージや好中球などの貪食活性(異物を取り込んで消化する働き)を持つ細胞が呼び寄せられ、病原体を除去する働きの事。

【図9】

下の図は悪性黒色腫という皮膚がんの患者さんの生存率とigG4の発現レベルの関係性を表したグラフですが、がんにおいてもigG4の発現レベルと生存率には負の相関性がある事が示されています。

igG4とigG全体の比が0.04を超える患者群と超えない患者群では40ヶ月経過後の生存率に40%の開きがあるのが分かります。

【図10】

『IgG4 サブクラス抗体は黒色腫における抗腫瘍免疫を損なう』

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3613918/  

このように、新型コロナワクチンによるigG4の増加は、免疫応答を低下させる事によって、新型コロナウィルス感染症自体を悪化させるだけでなく、他の疾患も進行させてしまいます。

オミクロン株は、以前の株と比較して毒性が弱く、新型コロナウイルスによるコロナ肺炎で亡くなる人は減少しましたが、基礎疾患が悪化して亡くなられた高齢者が多かったようです。

新型コロナワクチンの繰り返しの接種で、igG3が応答しなくなった状態でigG4が増加し、免疫が機能不全を起こした結果、新型コロナ感染症だけでなく基礎疾患に対するコントロールも失ってしまい、死亡に至ってしまったケースと考えられます。

また、igG4の増加は、重症筋無力症や突発性膜性腎症といった自己免疫疾患を引き起こす危険性も指摘されています。

「繰り返しの刺激による免疫寛容の形成」についてですが、

新型コロナウイルスに限らず、B型肝炎ウイルスなどにおいても、同じ抗原に慢性的にさらされ続けることによる免疫細胞の機能不全が報告されていました。新型コロナウイルスに関しても同じスパイクタンパク抗原を何度も繰り返し接種した結果、一度獲得したはずの免疫が損なわれ、追加接種しなかった場合よりも免疫応答が大きく低下したという動物実験の結果が報告されています。

以下の論文では、マウスにおいて、mRNAワクチンではないですが、スパイクタンパクの一部を抗原とするワクチンを4回接種した群とその後6週間で2回追加でブースター接種した群を比較したところ、後者のブースター接種した群では、しなかった群に比べ、抗体産生が大幅に減少し、従来株はもちろん、デルタ変異株やオミクロン変異株に対する中和抗体反応も有意に減少しました。そして、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞の活性化が著しく阻害され、細胞傷害性T細胞によるエフェクターサイトカイン(IL-2、IFN-γ、TNF-α)の分泌レベルの大幅な低下、免疫記憶の喪失(メモリーB細胞、メモリーT細胞の減少)、制御性T細胞の増加と、繰り返しの抗原刺激が誘発したT細胞の疲弊(免疫チェックポイント受容体PD-1とLAG-3の表面発現の増加)による免疫抑制のために、ワクチン接種の初期に確立した体液性免疫と細胞性免疫の両方が著しく損なわれることが明らかとなった、とあります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9625849/ 

「ADE (抗体依存性感染増強)」とは、ワクチン接種で獲得する抗体には、病原体に結合して攻撃するものと、逆に病原体に結合して免疫細胞に感染しやすくするもの(感染増強抗体)の2種類があるのですが、後者の悪玉の抗体の方が活性化して感染や症状をむしろ促進してしまう現象で、過去にデング熱ワクチンなどで報告されました。

新型コロナワクチンのADEに関しては、現時点では確認されていないと厚生労働省のサイトで報告されています。

https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0093.html  

しかし、感染を防ぐ抗体は、スパイクの頭の部分(RBD)に結合し、感染を増強する抗体は頭の横斜め下のNTDという部分に結合する性質があります。ウィルスの変異により形が変わるのはスパイクのNTDの部分ではなく頭の部分(RBD)である事が殆どのため、今後、変異により感染を防ぐ抗体の方は役目を果たさなくなり、感染を増強する抗体の機能だけが残り、感染が促進される危険性があります。

「抗原原罪」とは、免疫細胞が以前に獲得した抗体の記憶に引きずられて新しい変異株に対する抗体を獲得しにくくなる現象で、インフルエンザワクチンなどで報告されています。

新型コロナワクチンについても、マカクザルに、初期型のモデルナ製ワクチンとオミクロン対応型ワクチンをブースター接種して、中和抗体レベルとB細胞の拡大、オミクロンウィルスの抗原投与に対する反応を調べたところ、初期型のモデルナワクチンを投与された群とオミクロン対応型ワクチンを投与された群の検査値に違いは全くなかったため、抗原原罪の影響が示唆されています。

https://www.science.org/content/blog-post/omicron-boosters-and-original-antigenic-sin

また、新型コロナワクチンはその副反応の発生頻度の高さから医薬品としての安全性が疑問視されています。

次に示すのは、小島教授が作られた、2022年10月の時点での、予防接種法に基づいて、医療機関と製造販売業者から報告された新型インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの副反応報告数を比較した資料です。

(小島教授と柳ケ瀬議員の対談動画の中からキャプチャーさせて頂きました。)

動画

https://www.youtube.com/live/p4GGf9LOvEg?feature=share  

【図11】

 資料を見てわかるのは、新型インフルエンザワクチンと比較したときの新型コロナワクチンの異常な程の副反応報告の多さです。

死亡報告数は新型コロナワクチンが100万人あたり6.22件

      新型インフルエンザワクチンが100万人あたり0.13人

と、新型コロナワクチンは新型インフルエンザワクチンの約48倍の死亡率になります。

若い男性では心筋炎の発症率が非常に高く、モデルナ社のワクチンでは10代の男性で発症数が100万人あたり150人を超えています。

(厚生労働省資料

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.mhlw.go.jp/content/000844011.pdf&ved=2ahUKEwjRzeuvy9j_AhUHAd4KHTcfAcMQFnoECBIQAQ&usg=AOvVaw1ifUQWvDbGykaqkZebJsQd )

 人類史上初となるmRNAワクチン(人類がmRNAワクチンを使うのは新型コロナワクチンが初めて)を「ワープスピード」と呼ばれる驚異的な速さで実用化するために、通常5年以上かかる治験が一年に短縮され、本来最も重要視されなければならない安全性の確認がおろそかにされた結果なのではないでしょうか。

そして東京理科大学名誉教授 村上康文氏は同一の抗原を繰り返し接種することの危険性について警鐘を鳴らしています。

以下の内容は、同氏が2021年9月にメディアで発表したものですが、新型コロナウィルスのスパイクタンパク抗原を複数回マウスに投与する実験を行ったところ、5回目の接種から死んでしまう個体が現れ始め、7~8回目には生き残っている個体は殆ど居なかったそうです。(メディアには、あまり不安を煽らないように控えめに、半分近くが死んでしまったと発表したが、実際には、ほぼ全滅だったそうです)

 そして、本来なら、動物で5回接種の安全性を確かめてから製品化すべきなのに、製薬会社は、5回目の接種を動物では実験しないまま製品化し(動物は実験で投与されたワクチンが初回の接種)、ヒトに打っています。もちろん、ヒトとマウスでは体の大きさや遺伝子構造も異なるので、マウスで起こったことがそのままヒトに起こるわけではありませんが、私達日本人は自覚の無いまま、「ヒトにおける初めての5回目接種の安全性を確かめる実験の被験者」になってしまっているのです。

【図12】

<緊急座談会>3,4回目ワクチン接種をすすめない理由 №1<編集・再アップ>

https://www.nicovideo.jp/watch/sm40895964  

以下は元自民党議員秘書の藤江成光氏が作成された超過死亡とワクチン接種の相関を示すグラフを下に添付したURLの動画からキャプチャーさせてもらったものです。

ワクチン接種の回数を表す棒グラフと超過死亡数を表す折れ線グラフがキレイに同期しているのが見て取れます。

【図13】

https://youtu.be/6DNd6qirMc0  

超過死亡とは、過去の統計をもとに推定した死亡者数を実際の死亡者数がどれだけ上回ったかを示した値です。ただし、各国で共通する一律の超過死亡の算出方法は定められていません。

 

ヨーロッパにおいても、31か国におけるワクチン接種率と超過死亡の関係性を分析した研究で、2021年のワクチン接種率が⾼いほど、2022年の最初の9か⽉間における全死因死亡率がより増加したことが⽰されそうです。 2021年のワクチン接種率の1パーセント増加は、2022年の⽉次死亡率0.105%増加と関連していたとのことです。

『2021年のヨーロッパにおける新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種率と2022年の全死因超過死亡率の間に関連性はあるのか?』

https://hvlopen.brage.unit.no/hvlopen-xmlui/handle/11250/3062560

また、ワクチンによって抗原として体内に生成されるスパイクタンパク質そのものの毒性も懸念されるところです。以下の論文によれば、血液凝固プロセスの重要な因子であるヘパラン硫酸 (HS)/ヘパリンは、スパイクタンパク質に高い親和性で結合することが判明したとのこと。スパイクタンパク質がアンチトロンビン(抗凝固因子)およびヘパリン補因子IIのヘパリン/ヘパラン硫酸(血液凝固を制御する)への結合を競合的に阻害し、トロンビン(血液凝固に関わるタンパク質のフィブリノゲンを分解活性化してフィブリンにする分解酵素)活性の異常な増加を引き起こし、血液凝固や血栓症の原因となる可能性があるとのことです。

『SARS-CoV-2 スパイクタンパク質はヘパラン硫酸との競合結合により血液凝固と血栓症を引き起こす』

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8553634/  

以上のような副反応の多さと安全性の欠如から、ドイツではファイザーと提携して新型コロナワクチンを開発したビオンテック社を相手取って、新型コロナワクチン後遺症に対する賠償を求める訴訟が350件以上起こされています。

しかし、ビオンテック社は「製品情報に記載されている以外の副反応の可能性は確認されていない」と述べ(その副反応の可能性は最初から製品情報に書いてあったから問題ないと言いたいのでしょう)、記事は、被害者の症状がワクチンによるものだと後付けで確実に立証できる根拠を提示する事は現代医学では困難であるため、原告が勝訴するのは難しいのではないかと予想しています。

クーリエ・ジャポン

『独ビオンテック社を悩ます、「新型コロナワクチン後遺症」に対する訴訟の嵐』

https://courrier.jp/news/archives/329132/

なお、オミクロン株流行期以降の重症化率、死亡率ついては

「BA・5」が流行した2022年の7~8月でみると、重症化率は60歳未満が0・01%、60~70歳代が0・26%であり、致死率は60歳未満が0・00%、60~70歳代が0・18%、80歳以上が1・69%でインフルエンザの0・01%、0・19%、1・73%とほぼ同水準になっています。

【画像14】

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20221221-OYT1T50205  

厚生労働省の資料からもオミクロン株以降の重症化率と致死率の低下が読みとれます。

【画像15】

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.mhlw.go.jp/content/000927280.pdf&ved=2ahUKEwjS2sam2NT_AhXFlFYBHS-ZCUMQFnoECA0QBg&usg=AOvVaw2ueJ1WhEKnTXKrSqRcdqA8

現在、国内の流行の主流となっているオミクロン株のXBB系統に関しても特に重症化しやすいというデータはないそうです。

https://youtu.be/ejLBIuEsb4o  

現在接種可能なワクチンがXBB系統に対応しているかについてですが、2023年の9月頃にオミクロン株XBB系統対応ワクチンが製品化されるまでは、日本で接種可能な新型コロナワクチンは武漢株とオミクロン株BA.4/5を抗原とする2価ワクチンだけです。厚生労働省の資料によれば、今の2価ワクチンでは、XBBに対する中和抗体価の上昇は武漢株に対する中和抗体価の上昇の1/85しか無いそうです。今や世の中に出回っている新型コロナウイルスの大部分はオミクロン株で武漢株は殆ど残存してないのに、不必要な抗体を沢山産生して、必要な抗体を僅かしか作らないのでは意味が無いし、武漢株という同じ抗原を何度も接種するのも副反応のリスクが高いと考えられます。

【図16】

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001108598.pdf&ved=2ahUKEwjI68K8zuv_AhWSZ94KHZTcAMEQFnoECAcQAQ&usg=AOvVaw1bAebYXETYRs2hHeaO_ZXb

 

 

流行株がオミクロンに置き換わり、その毒性が新型コロナウイルス発生当初よりは弱まっているとは言え、基礎疾患等の重症化リスクを抱えておられる方々にとっては、依然として新型インフルエンザ同様に決して軽視出来ない感染症であるのは確かです。

しかし、既にワクチンを2回打っている人や新型コロナウイルスの感染歴のある人は、スパイクタンパク抗原と戦って獲得した免疫記憶をメモリーT細胞が長期に渡って保持し続けます。そして次回同一の病原体が侵入してきた際には素早く免疫応答することが可能になります。
また、抗体は抗原の形が少しでも変わると結合性が弱まり、効力も低下してしまいますが、T細胞は少々の変化では標的を認識する能力を失わず、変異株にも交差反応し排除に働きます。

ワクチンの追加接種を行っても、メモリーT細胞とは異なり、抗体は6ヶ月で90%減少し、ウィルスが変異すると抗体の有効性は更に低下します。

既に獲得済みの免疫の効果、追加接種で被る自己免疫疾患の発症や進行のリスク、繰り返しの抗原刺激で免疫が低下するリスク、アナフィラキシーや心筋炎などの重篤な副反応のリスク、変異株の弱毒化等を考慮すると是が非でもワクチンを打たなければ、と思われるような状況は脱して来ているのではないでしょうか。

 


 

ここまで様々な情報を提示してきましたが、これを持ってワクチンを打つべきか打たないべきかを医療関係者や研究者ではない私が断定する事は出来ません。

 

ただ、患者さんの行われる意思決定が世の中の全体的な雰囲気や圧力によって歪められることなく、ワクチンのメリットとデメリットの両方を知り、接種の妥当性を正しく検討出来る環境においてのものであって欲しいと思います。

 



 

 

【補足】

 

免疫反応や新型コロナワクチンの仕組みについて日本維新の会所属の柳ケ瀬裕文参議院議員と東京大学新田准教授による以下の動画がとても参考になりました。

 

https://www.youtube.com/live/5dxZ5L6QQQ8?feature=share  

https://www.youtube.com/live/aO7cf0jgGVE?feature=share 

 

 

動画内容に1点だけ訂正があり、1つ目の動画の1:05:05あたりに出てくるリンパ球の減少に関する資料はBNT162b1という新型コロナワクチンに採用されなかったmRNAについてのデータであり、ワクチンに採用されたBNT162b2というmRNAに関するデータは訂正動画の中で示されています。この記事中の【図2】と同じ資料になります。BNT162b1のデータに比べてリンパ球の減少の程度は穏やかになっていますが、製品と同じ30μgの投与された被験者さんの大半が基準値を下回る水準までリンパ球が減少しています。

https://www.youtube.com/live/LiHdvnOgYkQ?feature=share  

 

 

 

また、「新型コロナワクチンは自己免疫性疾患を発症、再燃、悪化させる!?③」の中でも少し紹介させて頂きましたが、柳ケ瀬議員と名古屋大学名誉教授 小島勢二氏との対談動画もワクチンの副反応リスクを知る上でとても参考になります。

 

https://www.youtube.com/live/p4GGf9LOvEg?feature=share 

 



 

記事①

mRNAワクチン接種後に見られる自己免疫疾患の増加:新規発症機序の可能性

ファイザーやモデルナ製のコロナワクチンは、人類初のmRNAワクチンということでその安全性が懸念されるが、mRNAは短期間で分解されるので安全性についての問題はないと説明されている。最近、この説明に疑問を投げかける研究結果が報告されている。

デンマークからは、ワクチン由来のmRNAが、接種後最長28日間血液中に存在することが報告された。次世代シーケンサーを用いてRNAシーケンスを行うとmRNAの配列情報を網羅的に読み取ることができる。ヒトのRNAばかりでなく、ウイルスやワクチン由来の遺伝子配列情報をも読み取ることが可能である。

検討した108人のうち、10人の血中からワクチン由来の全長あるいは部分的な遺伝子配列が検出された。ワクチンが接種されると、10人に1人はワクチンが分解されずに一定期間血中を循環することが判明した。

この結果は、ワクチン由来のmRNAが注射された筋肉のみでなく全身の臓器に運搬されることを意味する。実際、ファイザー 社の薬事申請資料 には、マウスの筋肉に注射すると、注射された筋肉部位の他に、肝臓、脾臓、副腎、卵巣からもワクチン由来のmRNAが検出されたことが記載されている。各臓器の細胞に取り込まれたmRNAはリボゾームでスパイクタンパクを産生し、産生されたスパイクタンパクは細胞の表面に運ばれて、抗体やT細胞に認識される(図1)。

 

図1 mRNAワクチンの仕組み

筆者作図

細胞表面に分布するスパイクタンパクは、免疫染色によってその存在を病理組織学的に示すことができる。図2はワクチン接種後に死亡した患者の病理組織像であるが、茶色の部分がスパイクタンパクの存在部位である。筋肉、脳、心筋、冠動脈細胞の一部がスパイクタンパクを産生している。

 

図2 抗スパイクタンパク抗体による免疫染色

Arne Burkhart博士撮影

ヒトの免疫系は、元来、細菌やウイルスなどの異物から自分の体を守る働きがあるが、時に免疫系が正常に働かずに自分の組織を異物と見做して攻撃することで自己免疫疾患を発症する。種々の自己免疫疾患があるが、膠原病のように全身臓器の症状が見られるものと、慢性甲状腺炎のように特定の臓器のみの症状が見られる病気とがある。すでに、コロナワクチン接種後に多数の自己免疫疾患が報告されている。

コロナワクチン接種後に見られる自己免疫疾患の発症メカニズムとしてスパイクタンパクに対する抗体がヒト組織抗原と交差反応することが考えられている。すでに、コロナワクチンの接種が開始される以前に発表された論文に、抗スパイクタンパク抗体は、検討した55種類のヒト組織抗原のうち25抗原と交差反応することが示されている。

この結果から、ワクチンの接種で産生された抗スパイクタンパク抗体が、交差反応を示すヒト臓器を攻撃して自己免疫疾患を引き起こす可能性が危惧されていた。

コロナワクチンに限らずワクチン接種後に発症する自己免疫疾患は、ヒト組織抗原と交差反応する抗体によって発症すると考えられてきた。ところが、mRNAワクチンでは、肝臓、脾臓、脳、心臓などの様々な臓器を構成する細胞の表面にスパイクタンパクが表出される。

コロナワクチンが投与されると、免疫を担当するB細胞からはスパイクタンパクを認識する抗体が産生される。同時に、表面にスパイクタンパクが存在する細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞も誘導される。このような抗体依存性あるいはT細胞依存性自己攻撃によって自己免疫疾患が発症する危険性がある(図3)。

 

図3 mRNAワクチン関連自己免疫疾患について考えられる発症機序

筆者作図

実際、スパイクタンパクを認識するT細胞によって自己免疫性肝炎が発症したことが報告されている(図4)。蛍光標識したMHCテトラマーを用いたフローサイトメトリーによって、スパイクタンパク特異的細胞傷害性T細胞を検出することが可能である。

この研究の対象となった患者では1回目のコロナワクチン接種後に肝炎を発症したが、改善が見られたので、2回目のワクチンを接種したところ再度肝機能が悪化した。ワクチンの接種が肝炎の発症に関与していることは臨床経過から強く疑われる。テトラマーを用いて、この患者の末梢血と肝臓組織中のスパイクタンパク特異的細胞傷害性T細胞が検出されたことから、スパイクタンパクを認識する自己のT細胞による攻撃で肝炎が発症したと考えられた。

 

図4 末梢血、肝臓組織からのスパイクタンパク特異的細胞傷害性T細胞の検出

J Hepatol.2022 Sep;77(3):653-659

コロナワクチンの接種後には、主に、筋肉、肝臓、リンパ節、副腎、卵巣にmRNAが蓄積する。図2にあるように抗スパイクタンパク抗体に染まる細胞は心筋にも存在する。

3月10日に公表されたコロナワクチン接種後の副反応リストによれば、これらの臓器に原因不明の炎症や機能不全が多数起きていることが報告されている(表1)。 テトラマーを用いて、これらの副反応にスパイクタンパクを標的にした細胞傷害性T細胞が関与しているかを検討することは重要と思われれる。

 

表1 mRNAワクチン接種後に見られた副反応の報告数

2023年3月10日開催第92回厚生科学審議会配布資料

mRNAワクチン技術は、コロナウイルスのみならず、今後、インフルエンザを初め他の病原体に対するワクチン更にはがん領域への適用も考えられている。上記のメカニズムによる自己免疫疾患の発症は、コロナワクチンに限らず、mRNA技術を用いたすべてのワクチンに起こりうることである。その意味でも、コロナワクチン接種後の副反応に対するテトラマーによるスパイクタンパク特異的細胞傷害性T細胞の検討は是非始めるべきであろう。



 

論文①

『新型コロナウイルス感染症ワクチン接種と自己免疫疾患の発症』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/62/10/62_1490-22/_article/-char/ja  

 

 

 2019年に重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)による最初のコロナウイルス感染症(COVID19)の症例が中国の武漢で報告されて以来、この病原体は世界中で多くの死者を出し、人々のライフスタイルに影響を与え世界経済はこれまで経験したことのない形で変化しました。 2022年12月16日現在、世界の感染者数は約6億4,800万人、死者数は約660万人に達しています(1)。 その過程で、30年前から開発が進められてきたmRNAワクチンがついに実用化され、これまでほとんど実証されていなかったウイルスベクターを用いたワクチンが普及しました。

 

これら新型ワクチンが実用化され、世界中で投与されるに伴い、さまざまな副反応が報告されています。 副反応として報告された症状のほとんどは、ワクチン接種部位の腫れや一時的な痛み、全身倦怠感、発熱、関節痛、筋肉痛、頭痛など重篤なものではありませんでした(2)。 しかし、アナフィラキシー、心膜炎、心筋炎、血栓症などの重篤な副作用も報告されています(3)。 これらのワクチンによる重篤な副反応の発生頻度は一般に低く、ワクチン接種による利益の方が副反応のデメリットを上回ると考えられているため、現在ではすべての人にワクチン接種が推奨されています。 基礎疾患にリウマチ病を有している人々は、新型コロナウイルス感染症に罹ると、重症化のリスクが高まる可能性があることが示唆されているため(4)、さまざまな国でリウマチ性疾患患者へのワクチン接種が一般的に推奨されています(5-7)。

  

 自己免疫疾患の発症との関連は、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、B 型肝炎に対するワクチンで報告されています (8-10)。 SARSCoV-2 ワクチンには、これまで世界保健機関の緊急使用リストによって推奨された 9 製品があり、2022 年 12 月 12 日の時点で世界中で 130 億回分の投与が行われています (1)。 これらのワクチンの中で最も普及しているのは、mRNA ワクチンである BNT162b2 (Pfizer-BioNTech) および mRNA-1273 (Moderna) と、アデノウイルス ベクター ワクチンである ChAdOx1 nCoV-19 (AstraZeneca) および Ad26.COV2.S (Janssen) です。 これらのワクチンでは、ワクチン接種時の副反応に関するデータが蓄積されており、ワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)、自己免疫性肝疾患、ギラン・バレー症候群、バセドウ病、IgA腎症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、成人発症のスティル病などの自己免疫機構の介在が疑われる有害事象が報告されています。 (11-18)。

   SARSCoV-2 に対するワクチンが自己免疫を誘導する主なメカニズムは、分子相同性、自己抗体の産生、ワクチンアジュバントによるものと考えられています (19)。 ウイルスタンパク質と組織自己抗原間の交差反応は、分子相同性による異常な自己免疫応答の発症につながる可能性があります。 自己抗体産生の例には、VITTに関する副反応である血小板第 4 因子を標的とした抗体の産生が含まれると報告されています (20)。 ワクチン中のアジュバントと mRNA はトール様受容体 (TLR) によって認識され、インフラマソーム経路を介して自己免疫を誘導する可能性があります (21)。 Aochiらは、 78 歳の日本人女性がBNT162b2 新型コロナウイルス感染症 mRNA ワクチンの 2 回目の接種から 2 週間後に免疫グロブリン G4 関連疾患 (IgG4-RD) を発症したと報告しました (22)。 彼女にはリウマチ性疾患の病歴はなく、両側の顎下領域の腫れ、膵臓の肥大、および高い血清 IgG4 レベルが見られました。 診断時に病理学的検査を行うことはできなかったが、自己免疫性膵炎の臨床診断基準およびIgG4関連疾患のACR(アメリカリウマチ学会)/EULAR(ヨーロッパリウマチ学会)分類基準に基づいて、彼女はigG4 関連疾患と診断されました(23、24)。 プレドニゾロン 30 mg/日による治療が開始され、臓器の肥大が改善されました。

次に、ワクチン接種後の反応と、TLR へのシグナル伝達によって I 型インターフェロンが過剰発現する IgG4関連疾患との間の病態機構の類似性が議論されました。 今回の症例報告以前に、SARS-CoV-2ワクチン接種後のIgG4関連疾患の新規発症症例3名と再発症例1名が報告されていました。

 

 発生頻度が低いため、自己免疫疾患と SARS-CoV-2 ワクチン接種との因果関係を証明することは困難です。 上述の IgG4関連疾患 のケースでは、ワクチン接種と IgG4関連疾患 の間の因果関係を示唆する唯一の理由は、2 つのイベント間の間隔が短かったことです。 ワクチン誘発性の副反応に関する証拠はまだ不足しており、SARS-CoV-2に対するワクチンが自己免疫疾患の新たな発症を引き起こす可能性があるのか、それとも単に一時的な偶然なのかはまだ結論が出ないままです(19)。今後、この因果関係を解明するためには、ワクチン接種後の免疫反応に関する詳細なメカニズムを理解する事とともに、疫学研究や症例報告をさらに蓄積する必要があります。